残念ながら、口を開けて虹に突っ込んでも、その虹を味わうことはできませんし、緑の服を着た小さなアイルランドの妖精の金の壺を手に入れることもできません。
また、『オズの魔法使い』でドロシーが歌ったように、虹を越えて高く舞い上がることもできません。
ついでに言えば、地平線にも決してたどり着けないのです!
では、なぜ虹の端にはたどり着けないのでしょうか?
要するに、虹は実体のある物理的なものではなく、光学的な錯覚 だからです。
虹は、雨粒が小さなプリズムのように作用することで生まれます。
雨粒は太陽の光を屈折させ、内部で反射させながら、私たちの目に届くようにします。
光の波長ごとに屈折する角度が異なるため、太陽の白色光が分解され、虹のような美しいアーチ状の色の配列が生まれるのです。
つまり、虹に向かって移動すると、その光の角度が変化するため、虹自体も移動するように見えます。
虹は常にあなたから一定の距離にあるのです。
虹の色が視覚的に現れるためには、水滴があなたから特定の距離にある必要があります。
そのため、虹に向かって進んでも、虹は常に同じ距離を保ち、決して到達することはできません。
虹が一定の形を保つためには、太陽、水滴、観察者の間の角度が42度 である必要があります。
では、虹を越えることができないのに、なぜ飛行機から虹の写真が撮れるのでしょうか?
先ほど述べたように、虹を越えることは決してできません。
それなのに、飛行機に乗っている人が虹を見下ろす写真を撮ることがあります。これは一体どういうことでしょうか?
実は、これもまた 光学的な錯覚 であり、飛行機の窓が持つ「複屈折(バイリフリンジェンス)」という特性が関係しています。
複屈折 とは、光がある特定の素材を通過するときに 2つの異なる光線に分かれる という光学的な現象です。このとき、それぞれの光線が異なる色に分散されるため、虹のような模様が生まれます。
さらに、水面が光を偏光することで、この効果がより強調されます。つまり、飛行機の窓越しに見える虹のようなものは 本物の虹ではなく、光の干渉によって生じたもの なのです。
結論として、虹を越えることはできず、ましてやその端にたどり着くことも不可能です。
子供の頃の夢を、一つずつ現実の事実で打ち砕いていきますね!