本当に扁桃腺は必要なのか？

扁桃腺とは？

「扁桃腺（へんとうせん）」と言うと、多くの人は喉の奥にあるリンパ組織のかたまりである**口蓋扁桃（こうがいへんとう）**を指します。

喉の左右に1つずつ存在し、まるでゴールキーパーのような役割を果たします。

口から侵入しようとする病原体を捕らえ、体内への侵入を防ぐのです。

口蓋扁桃は、吸い込んだり飲み込んだりした病原体と戦う最前線です。

扁桃腺には種類がある

しかし、体内には口蓋扁桃だけでなく、複数の扁桃腺が存在し、それぞれが病原体の侵入を防ぐ役割を担っています。

口蓋扁桃は、咽頭にあるワルダイエル輪（Waldeyer’s ring）と呼ばれるリンパ組織のリングの一部を形成しています。

ワルダイエル輪は、以下の4つの扁桃腺で構成されています。

✅ 口蓋扁桃（こうがいへんとう） – 喉の左右にある
✅ 咽頭扁桃（いんとうへんとう） – 鼻の奥にあり、「アデノイド」とも呼ばれる
✅ 耳管扁桃（じかんへんとう） – 耳の奥に位置する
✅ 舌扁桃（ぜつへんとう） – 舌の奥にある

これらの扁桃腺は鼻や口から侵入する病原体と戦う防御システムとして働いています。

扁桃腺はどのように機能するのか？

扁桃腺の働きとは？

扁桃腺（へんとうせん）はフィルターのような役割を果たし、微生物が体内に侵入するのを防ぎます。

これは、体の最前線で働く防御機構のひとつです。

扁桃腺には免疫細胞が含まれており、病原体が口や鼻から侵入すると、最初に免疫細胞がそれを識別します。

次に、これらの免疫細胞が抗体を作り、病原体を攻撃・破壊します。

また、扁桃腺はリンパ系と呼ばれる体内を循環する液体のシステムの一部です。

このリンパ系を通じて、体は感染を排除していきます。

扁桃腺なしでも生きられる？

扁桃腺がなくても生きられる？

扁桃腺がなくても問題なく生きることができます。
扁桃腺は肺や心臓のように生命維持に不可欠な臓器ではないため、取り除いても命に支障はありません。

扁桃腺は免疫システムの重要な一部ですが、なくても健康的に生活することは可能です。

扁桃腺を失った後も、体内の他の免疫機構が働き、感染症と戦う役割を担います。

ただし、**扁桃摘出術（へんとうてきしゅつじゅつ）**を受けた後は、呼吸器感染症や中耳炎、副鼻腔炎（ふくびくうえん）のリスクがやや高くなる可能性があります。

しかし、扁桃腺を取ったからといって、完全に無防備になるわけではありません。

医師に相談すれば、免疫力を高めるためのアドバイスを受けることができます。

扁桃腺はいつ摘出するべき？

扁桃腺はいつ摘出するべき？

以前ほど一般的ではなくなりましたが、扁桃摘出術（へんとうてきしゅつじゅつ）は今でも子どもに最も多く行われる外科手術のひとつです。

アメリカでは、毎年約53万件の扁桃摘出手術が子どもや青少年に対して行われています。

扁桃腺は病原体と戦う役割を持っていますが、感染すると問題を引き起こすことがあります。

感染した扁桃腺は炎症を起こし、「扁桃炎（へんとうえん）」と呼ばれる状態になります。

扁桃炎の主な原因はウイルス感染ですが、細菌感染が原因となることもあります。

扁桃炎の代表的な症状には、のどの痛みがあり、飲み込みにくさ、発熱、口臭などを伴うこともあります。

医師が診察時に「アー」と声を出すように求めるのは、扁桃腺の状態を確認するためです。

扁桃炎の治療方法は、感染の原因に応じた保守的な治療が一般的です。

しかし、繰り返し扁桃炎を発症する人、頻繁に中耳炎になる人、極端に腫れた扁桃腺を持つ人は、摘出手術を検討することがあります。

重度の腫れた扁桃腺は気道をふさぎ、睡眠障害を引き起こすことがあります。
そのため、扁桃摘出術によって、扁桃腺が原因の睡眠時無呼吸症候群を改善できる場合があります。

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