重力は私たちの存在にとって不可欠ですが、なぜ存在するのか、そもそも何なのか知っていますか？
目に見えないものなのに、なぜ私たちの生存や太陽系の仕組みにとってそれほど重要なのでしょうか？
この記事では、重力の正体とその仕組み について詳しく見ていきます。
重力とは何であり、どんな働きをするのでしょうか？
私たちは皆、重力が存在し、私たちを地面に引き留めていることを知っています。 重力とは、物体を引き寄せる力のことです。
「重力（gravity）」という言葉は、ラテン語の gravitas（重さ） に由来しています。
地球では、重力が物体に重さを与え、月 では重力が地球の潮の満ち引きを引き起こします。
重力は太陽系全体でさまざまな役割を果たし、惑星が太陽の周りを公転し続ける理由 でもあります。
地球上では、重力によって物が落ちたり、私たちがジャンプしてもまた地面に着地したりします。
では、重力を発見したのは誰なのでしょうか？
アイザック・ニュートン卿 は、イギリスの数学者であり物理学者で、木から落ちるリンゴ を見て自然界の力について考えていたときに、重力の概念を発見しました。
彼は、なぜリンゴが真下に落ちて、それ以上動かなくなるのか を不思議に思い、それを引き下げる力が存在すると考えました。
さらに、彼はこの力が地球を超えて太陽系全体にも影響を及ぼしているのではないか と考えました。
1687年 に彼は重力の概念 を提唱し、万有引力の法則 を確立しました。これにより、当時の物理学者たちは太陽系の仕組みを解明する手がかりを得ることができました。
ニュートンの発見以前、古代ギリシャ人は太陽系の動きは神々によって支配され、自然の法則に従っている と信じていました。
では、重力はどのように測定されるのでしょうか？
重力は「重力測定法（グラビメトリー）」と呼ばれる方法で測定され、これは重力場の強さを測定する技術です。
この測定に使用される装置は 「重力計（グラビメーター）」 と呼ばれ、簡単に言うと、重力による下向きの加速度を測定する ものです。
重力計を使った実験では、地球上の重力の強さが約±0.5%の範囲で変化する ことが明らかになっています。
この変化の主な原因は、太陽や月の動きによって地球の重力が影響を受けるため です。
重力計は主に、地質調査、鉱物探査、地震学 などの分野で使用されます。
現在のところ重力計は地球でしか使用されていませんが、理論上は 月などの他の天体でも重力場を測定するために使用できる可能性があります。
もし地球に重力がなかったらどうなるでしょうか？
重力が突然消えることはほぼ不可能ですが、科学者たちはその場合に何が起こるかを理論的に予測しています。
2016年にBBCが発表した記事 によると、もし地球に 重力がなかった場合、地球は バラバラに崩壊し、宇宙に漂ってしまう 可能性が高いそうです。
最初に 消えてしまう のは、地球に固定されていないもの、つまり 海、川、湖などの水 です。
次に 地表が崩壊 し、私たちを含めたすべてのものが 宇宙に浮かぶ粒子になってしまう でしょう。
同様に、太陽も重力による拘束がなくなるため、核圧力に耐えられず爆発する ことになります。
もし人間に重力がなかったらどうなるでしょうか？
水中にも重力はあるのか？
宇宙飛行士の経験からもわかるように、重力のない環境で生きることは非常に困難であり、人体に悪影響を及ぼします。
私たち人間は 重力とともに進化 してきたため、その存在が 健康にとって重要 です。
たとえば、立つという動作だけでも、筋肉が重力に逆らって体を支える 役割を果たしています。
NASAの宇宙飛行士であり 医師のジェイ・バッキー は、無重力環境が人体に与える影響 を研究しました。
宇宙では 骨密度が低下し、筋力が衰える ことが知られています。
これは、重力による負荷がないため、筋肉を使う必要がなくなる からです。
また、筋肉の衰え によって バランス感覚にも影響 を及ぼします。
重力は 私たちの体に常に負荷をかける ため、それがなくなると 筋肉や骨が徐々に弱ってしまう のです。
このため、宇宙飛行士は 長期間の宇宙滞在が制限 されており、地球に帰還すると 体を回復させるための時間 が必要になります。
研究によると、宇宙で3か月過ごすと、失った骨密度を回復するのに2〜3年かかる そうです。
では、水中にも重力は存在するのでしょうか？
すべての惑星に重力はあるのか？
水中では重力がほとんどないように感じるかもしれませんが、実際には重力は変わりません。
水中の重力は 地上と同じ ですが、重力は 何を引っ張るかを決める必要があります。
物体や人が水中に入ると、重力は引き続き作用します が、同じ体積の水が重力に逆らって上昇できる場合に限ります。
これを 浮力（浮揚力） と呼び、結果として 重力は「水」と「物体」のどちらを引くかを選択 することになります。
- 水よりも密度が高い物体は沈みます が、その重さは、押しのけた水の体積分だけ軽くなります。
- 水よりも密度が低い物体は浮きます が、物体の質量が押しのけた水の質量と等しくなるまで浮上します。
では、すべての惑星に重力は存在するのでしょうか？
重力はどこにでも存在しますが、場所によってその強さは異なります。
たとえば、地球上で 体重が100ポンド（45kg）の人 は、異なる惑星では異なる重さになります。
- 月ではわずか17ポンド（7.7kg）
- 水星では38ポンド（17kg）
- 木星では253ポンド（114kg）
このように、体重は惑星によって変化しますが、人体そのものは変わりません。
これは 重力の強さが惑星ごとに異なるため であり、宇宙全体でも同様です。
重力の引力が弱いほど、私たちは軽く感じ、浮遊することになります。これは 水中にいるときの感覚と似ています。
重力は私たちの存在や地球の機能にとって非常に重要です。もし重力がなければ、地球や太陽系は今のようには存在しないでしょう。
次回 プールに入ったとき は、重りを使って浮力（排水量）の実験をしてみたり、ボールを投げて重力がどのように働くかを観察したり すると、さらに理解が深まるかもしれませんね！
